安心してくらし続けられるまちづくり
今日は午後から、杉並社保協(杉並社会保障推進協議会)主催の「杉並まちづくりフォーラム」に参加しました。
今回のテーマは、安心してくらし続けられるまちづくり。
「いま区民は何を求め、何をねがうか」
明治学院大学教授の河合克義氏が「高齢者に冷たい日本、高齢者はどうなる、どうする?」というタイトルで基調報告をされました。
町会・自治会活動などの衰退、貧困・孤立問題、孤立死、高齢者福祉政策の現実など、研究者の立場から報告やデータを提示し、問題提起。
また、ご自身が関わっている東京都港区のユニークな高齢者施策(「ほとんど都の予算なので、お金なくても大丈夫なんです!」とおっしゃっていました!)のお話も。
NHKスペシャルの「老人漂流社会」にも出演されているだけあり、その内容も説得力のあるものでした。
個人的には、フランスのお話(食糧自給率や、地方にも若者がいること、モナリザの活動など)をもっと聞いてみたいと思いました。
日本高齢者大会中央実行委員会の元事務局長の鐘ヶ江正志氏、そして日本共産党杉並区議会議員の山田耕平氏からも報告。
セルフネグレクト(自己放任)の問題は、鐘ヶ江氏が主に地域の高齢者などを対象に、日常的に見守り活動などをされている経験から、様々な事例を紹介。かなりショッキングな困難事例も。
でも、みんな孤立死を望んでいるわけではなく、社会的支援につなげていくことが、その人の人権や尊厳を守ることになる、という話が印象的でした。
山田耕平区議は、杉並区においての高齢者の実態(高齢化、孤立死、介護基盤整備など)が報告されました。
驚いたのは、お泊りデイサービス(地域密着型通所介護事業所における宿泊サービス)の実態でした。この面積で、この人数が泊まれるの!?と、正直、愕然。
しかも、4月からスプリンクラー設置義務が生じ、(それ自体は利用者の安全確保や地域との関係などでは良いことだと思うのですが)11事業所が廃止とのこと。
杉並区が、きちんと介護保険サービスの基盤整備に取り組むことが急務だと感じました。
国保料の値上げや、「区立施設再編整備計画」によるゆうゆう館の他施設への転用の問題も、高齢者のくらしには大打撃となります。
そして、参加者からは
○杉並区の溜め込みは、何の目的でされているのか?
○役所の介護や住宅などの相談に行くと、たらい回しのような対応。一括して相談できる窓口が欲しい。
○ゆうゆう館は利用者がいっぱい。なくなったらみんなどこへ行けばよいのか?
など、質問や要望もたくさん出されました。
専門家や地域の人が参加して、このように制度内容や実態を交流し、おかしいことや改悪されそうになったら、区や都や国に要求していくなど、誰もが安心して住み続けられるまちづくりを進めていきたいと思います。
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